地震の後片付けを進めていくと、一番被害が大きかったのはTVの大型キャビネットだったのだが、不思議な事に崩壊前に大型の液晶TVは前方に倒れたおかげで壊れてなくて、他の電化製品もすべて壊れていなかった。大体の片付けの目処が付いたのだけど、壊れたキャビネットやダイニングテーブルの下のガラスまみれでバーボン臭いマット、8割方割れてしまった食器類など、これからどうしていくか考えたら2人とも車を買い替える気など全く無くなっていた。それなのにボルボル君で会社に出勤する時に、たまたま新御堂筋で見たクルマが気になって仕方なかった。
事務所に着いて仕事の段取りがついてから、何気なくそのクルマを調べてみたら、たまたま枚方の正規代理店から程度のいい中古車が、たまたま1台だけネットに出ていた。それもワンオーナーで豪華装備の最終型、おまけに車検も2年付の超お買い得ビックリ価格。思わず笑いそうになってカミさんを呼んで見せてみると、少女漫画の様に目がキラキラと輝いているし。それから直ぐにディーラーに電話を入れると、ネットで問い合わせは数件来ているものの、未だ商談は進んでいないと言う事。この日はたまたま偶然カミさんも一緒だから、早速夕方早めに実車を見に行きますと約束をした。
仕事を早めに切り上げて、正規ディーラーに約束の時間ちょうどに到着。出迎えてくれたフロントの若い女性が「へぇ〜、見た事の無い車です」と不思議そうにボルボル君を見ているのが面白かった。入口にあった実車を横目に、お店に入って営業のお方から車の説明を聞く。それから表に出て車に乗ってみてアレコレとチェックをするが、座って見渡してみるとインテリアデザインもシンプルで悪くない。その上前席、後部座席とも座り心地は最高。車のサイズ感も自分が求めていたものとドンピシャで、エクスステリアのデザインも当時はちょっと、だったが今見るとそんなに悪くはない。カミさんに至ってはすべてが気に入ったみたいで、もうコレしかないと買う気満々になっていた。
それから見積書を作ってもらって、入らない備品のオプションを省いてもらったら、思っていた予算内で落ち着く事が出来た。営業のお方が見積書を作られている合間にカミさんと話をしたが、週末に見た車はスポーツ仕様なのでどうしても後部座席が窮屈なのが、本当は気に入っていなかったらしい。実は自分も後部座席の狭さと、後方からのデザインがあまり気に入っていなかったので悩んでいた。それがこの車はエクステリアのデザイン良し、車の大きさは今の自分達にはベストサイズ、良質の本皮シートも言う事ない、そして何より価格がいい。地震のせいで、いつもは持ち歩いていない通帳や実印もたまたま持って出ているし。
そのままハンコ押した。
今年の10月で丸8年になる850ボルボル君も、カミさんの実家に行く途中たまたま見かけて「昔、憧れていたよな、最近見ないけどまだ走っているんだ」と帰ってからネットで調べたら、たまたま埼玉の専門店で程度のいい白い850を見つけて、その週末にたまたま埼玉に撮影があったので帰りに寄って、一緒に行った当時のカメラマンさんがたまたま車に詳しくて、隅々をチェックしてくれて何かの“縁”を感じて即決したのだった。
今回最初に欲しかったトップグレード車を見つけて、商談がまだないのを確認して土曜日に見に行ったら、話をした営業のお方がたまたま外出している時に入らしたお客さんが即決されたという事で、なぜか少しホッとした気分で諦めた。翌日の日曜日の朝に携帯をいじっていたら、箕面のディーラーでミドルグレード車を見つけてまたまた見に行って、あのトップグレード車を先に行かれた方が決められたおかげで、このクルマに出会えたんだと、ちょっとばかし“縁”を感じたが即決はしないで家に帰って悩んでいたら、豊中のディーラーからトップグレード車のお客さんがキャンセルになったと電話が入り、またまたどうするか悩んでいた所で、翌朝地震に遭遇したのだった。
ちょっとばかしミッドグレードの車にも“縁”を感じたのだけど、何となくどこかすっきりしない気持ちの中で地震にあって買う気を失くした。そして事務所に行く途中たまたま見かけた、全然選択種にも入っていなかったクルマと出会い、たまたま近くにそのクルマを1台見つけてその日に見に行ったのは、それこそ何かの引き合わせで“縁”なのだと思う。新品で買えるモノは何でも選べるけど、新品で手に入らないものは中々満足するものを探し出すのは大変だ。それがたまたま見かけてから、9時間後には即決しているという事は“縁”以外の何者でもないと思う。ディーラーの営業のお方も感じのいいお方で、お店の雰囲気も悪くない。たぶん自分にとって最後のクルマになるだろうと思うけど、これからずっとお世話になると思うと大きな“縁”を感じたのがとても嬉しかった。
カミさんもそう言う“縁”をとても大事にするタイプなので、二人で幸せな気分になって家に帰ったのだが、玄関開けて部屋に入ると地震の現実に引き戻されてしまった、、、。
最近のコメント